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日本は新型コロナ対策のロールモデル? WHO感染対策の識者に聞く

住吉美紀がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「Blue Ocean」では、新型コロナウイルスの感染対策に取り組むWHO(世界保健機関)の健康危機管理プログラムシニアアドバイザーの進藤奈邦子(しんどう・なほこ)さんにリモートインタビューを実施、その模様をお届けしました。7月16日(木)は「新型コロナウイルス 各国の対策と今後」についてお話を伺いました。

◆ジャパンミラクルは特別? 世界のロールモデルは

住吉:新型コロナウイルス対策としてロールモデルになるような国はありますか?

進藤:アジアにはたくさんありますよね。日本も立派なロールモデルです。ジャパンミラクルと言われていますが、日本人はWHOおよび世界の公衆衛生のリーダーたちの間でも、けっこう特別だと思われている筋がありますね。

アジアでは、シンガポールや香港、あと中国ですね。中国はSARSのときからずっと一緒に準備をしてきたのですが、2017年ぐらいの段階でほぼ世界のトップクラスになっています。ヨーロッパではドイツですね。メルケル首相が健康危機対策にコミットすると宣言して、国全体でシステムを作り替えるぐらいの勢いで取り組んでいます。WHOへの潤沢な資金の提供や、私たちのプログラム強化を援助してくださったこともあります。ドイツはヨーロッパのなかではロールモデルと言われています。

◆国際渡航や貿易をどう再開させていくか

住吉:この先は世界的にどうなっていくのでしょうか。

進藤:どんなに感染が激しく起こった地域でも、抗体の所有率がだいたい10%から20%で、20%に到達しているところはほとんどありません。ということは、8割、9割以上の人がまだ感染していない。つまりこの割合が減るまで続くわけです。世界中のどこかでアウトブレイクが起こっている限りは、他の国も安全ではないということです。

ただ、今も国際渡航や貿易が著しく妨げられ、経済的にも大きな影響が出ているので、WHOではどうやって安全に再開するかを考えています。例えばリスクが同じ国同士では再開してもいいのではないか? ちゃんと患者さんを見つけて検査もできて、そこから先のコントロールがきちんとできる国同士は再開してもいいだろう、と考えています。

一方で危険地域から入ってくる人たちをどうやって追跡していくか……例えば14日間隔離など国ごとに対策を取っていますが、その期間がネックになって支障をきたしている事例もあります。例えば携帯やブレスレットで健康追跡調査に同意していただいて、症状が出た場合にはすぐ報告しないと、罰金を課したり罰則規定を設けるなど、試行錯誤を繰り返しながら、やり取りを再開できればと思っています。

◆経済と感染制御の両立を目指して…

住吉:経済を取るか健康を取るか、ということに、どこの国でもすごくジレンマを感じていると思うのですが、WHOではどのようにお考えですか?

進藤:まず1つは調査です。特に高齢者施設ではリハビリも含めたスキンシップがすごく大事なので、そういったことをむやみに制限してしまうことは人の人権にかかわってくる問題です。また、その地域にコロナ患者がいるかどうかということも把握する必要があります。コロナ陽性患者が出た場合にどういう対策をするのか、ということを関係者みんなで話し合っておく必要があります。

あとは、これから経済もうまく走らせながら、感染制御をどうやっておこなっていけばいいか、だと思います。もちろんワクチンや治療薬があれば状況は変わってくるので、患者さんがわかったときにその接触者の方にも予防的投与として、全員に飲んでいただく。そうするとその人たちは発症しなくて済みますし、あるいは軽傷で済むので、そういうことができてくるとまた違うと思います。